印刷コスト削減の基本!カラーと白黒の最適な使い分け
印刷業界において、コスト削減は常に重要な課題です。特に、製本業務やCAD図面を扱う印刷業者では、カラー印刷と白黒印刷の使い分けがコスト削減に大きく影響します。しかし、多くの業者は無駄なカラー印刷を行ってしまい、不要なコストが発生しているのが現状です。
本記事では、カラーと白黒の印刷を最適に使い分ける方法について解説し、コスト削減につながる具体的な施策を紹介します。
カラー印刷と白黒印刷のコスト比較
印刷におけるカラーと白黒のコストには大きな差があります。
印刷種類 | コスト (1ページあたり) | 特徴 |
---|---|---|
白黒印刷 | 約1~3円 | インクコストが低く、大量印刷向き |
カラー印刷 | 約10~50円 | インクコストが高く、必要な箇所のみに限定すべき |
例えば、100ページの製本を行う場合、すべてをカラーで印刷すると1,000円~5,000円のコストがかかりますが、必要な部分だけカラーにすれば大幅なコスト削減が可能になります。
製本や図面における最適なカラー/白黒の使い分け

製本業務の場合
製本業務を例に考えてみましょう。カラーが必要なページと白黒で済むページを区別することはポイントになります。
カラー印刷を推奨する部分
- 表紙・裏表紙(デザイン要素がある場合)
- 図表やグラフ(色分けが必要な場合)
- 重要な注意書き(視認性を高めるため)
白黒印刷で対応可能な部分
- 文章中心のページ
- モノクロの図表や表組み
- 参考資料や添付文書
このように、必要な部分だけをカラーにすることで、コストを抑えつつ品質を維持することができます。
図面印刷の場合(CAD図面など)
図面印刷を行う印刷業者では、カラーの使い方が特に重要です。図面には一見モノクロに見えて、カラーが一部に入っていたり、細い線などが多く人が見てカラーに気が付かないケースが良くあります。
カラー印刷が必要なケース:
- 配線図や設備図(異なる配線や設備を区別するため)
- 高精細な3D図面(視認性を向上させるため)
- 強調表示が必要な部分(修正指示や注釈)
白黒印刷で十分なケース:
- 建築図面の基本設計(線が明確に見えれば十分)
- 一般的な製造工程図(単色でも情報が伝わる場合)
- モノクロ出力に対応したデザインの図面
大きな建築物では図面はまだまだ現場で紙で見ることが多いです。カラーを適切に使い分けることで、印刷コストを30%以上削減することも可能です。
無駄なカラー印刷を防ぐためのポイント

PDFデータの事前チェック
印刷前にPDFデータを確認し、不要なカラー部分を削除することが有効です。例えば、DOCCIのようなツールを使用すると、カラーと白黒のページを自動判別し、振り分けることができます。
印刷設定の最適化
プリンタの設定を適切に管理することで、無駄なカラー印刷を防げます。
- 自動カラー検出を有効にする(白黒ページは自動的にモノクロ印刷)
- モノクロ推奨設定をデフォルトにする(必要な場合のみカラーを選択)
- ドラフト印刷を活用する(確認用にはインクを節約したモードを使用)
クライアントとのコミュニケーション
印刷を依頼するクライアントに対して、事前に「どの部分をカラーにするか」を確認し、提案を行うことで、無駄なカラー印刷を減らすことができます。
まとめ
印刷コストを削減するためには、カラーと白黒の使い分けが重要です。特に、製本やCAD図面を扱う印刷業者にとって、以下のポイントを実践することで、無駄なコストを削減できます。
✅ カラー印刷は必要最小限に抑える(表紙・図表・重要ポイントのみ)
✅ 白黒で十分な部分は積極的に活用する(文章中心のページや一般的な図面)
✅ DOCCIなどのツールを活用し、自動判別・振り分けを行う
✅ クライアントとの調整を行い、最適な印刷方法を提案する
これらの工夫を取り入れることで、印刷コストを最適化し、利益率を向上させることができます。是非、貴社の印刷業務にも取り入れてみてください!